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  コンソ・プラザ(講演会)「関東大震災の真相:被害と復興から学ぶ地震防災」を開催
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 内容5月29日、2023年度コンソ・プラザ一般講演会(第1回)が開催されました。名古屋大学減災連携研究センター特任教授の武村雅之様に「関東大震災の真相:被害と復興から学ぶ地震防災」のタイトルで、晴海の講演室(対面)とオンライン(Zoomミーティング)の併用開催にてご講演いただきました。参加者は講演室が3名、オンラインは40名、合計43名でした。
はじめに関東大震災の地震規模や被害状況を詳しく説明いただきました。震源の中心は 神奈川であったが、死者数など大きな被害の7割は東京であった事実を示し、関東大震災を 考える上で重要なポイントは、震源の問題ではなく、東京の問題であったと話されました。被害の実態や復興のことを知るために、神奈川や東京23区の現地調査を歩き尋ねて行ってきた貴重な内容をお話しいただきました。東京が最大の被災地となった根本原因は、明治維新以降の産業都市化政策が、都市の基盤整備をしないままに軟弱地盤上に人口集中を招いたことであると説明されました。震災後の帝都復興事業の経緯や、戦後の郊外での木造密集地 形成、1964年東京オリンピックによる開発、近年の高層ビルの林立による異常な人口密集などを説明され、戦後日本は、平和国家として欧米に負けない国力をもち、国民の生活を豊かにしたいと立ち上がったが、関東大震災の復興時のような地震に強い街づくりや、首都としての品格は二の次でひたすら経済成長を目指してきた。そのつけが回って、現在の東京は再び地震に弱い街なってしまった。街は市民に対し平等に利益をもたらすものでなければ ならない(住み易さ優先)。そのような街にこそ市民の連帯意識が生まれ、共助のこころも はぐくまれる。「関東大震災発生100周年を迎えて、大震災後の復興事業の理念を思い起こし、今こそ東京を地震に強い街に造りかえていかなければならない。」とまとめられました。
講演会後のアンケート(匿名37名)結果は、評価平均4.9(5点が最高)と高く、ほとんどの方から最高の評価をいただきました。
 ニュース公開日2023/06/16
発信者コンソーシアム事務局