■提案会員名:積水化学工業株式会社
■趣旨・概要:
「小規模建築物における地盤判定品質向上と汎用性を両立した地盤調査技術の研究」(活動期間2018年6月~2021年6月)では,基礎設計における地盤調査の品質向上のための動的貫入試験を提案。その検証実験を重ね,技術の実用化に繋がる一定の成果を得た。
「小規模建築物の地盤における不同沈下のリスク評価技術の研究」(同,2021年8月~2024年8月)では,地盤判定の品質向上に資すること目的とし,沈下事例の傾向分析や,盛土,埋土の長期載荷試験から不同沈下リスクの検討を行い,日本建築学会大会への梗概投稿,パネルディスカッションでの発信等,小規模建築物基礎設計指針改定に大きく寄与した。
後者では造成後の経過年数,地形的特徴等の定性的リスクや,実施した載荷試験に基づく造成時の締固め度と沈下量の関係など,リスク評価に関わる情報を発信したが,従来より小規模建築物で適用される静的貫入試験「スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)」による定量的リスク評価の難しさは引き続き課題として残された。こうした中,建築基準法の告示改正に伴い,地盤調査の方法に「動的貫入試験」が追加される方向となった。一方,能登半島地震では改めて液状化被害の大きさが浮き彫りとなり,液状化の判定品質の重要性を再認識した。
SWS試験は自沈層の有無により一定の沈下リスクの評価は可能だが,程度の評価が難しい。動的貫入試験は標準貫入試験のN値との相関が期待できるが,沈下リスクの評価の可能性は未知である。また,SWS試験ではH1-H2法による液状化検討において一定の土質分類がなされるが,その精度には課題がある。動的貫入試験はN値からFL法で液状化検討できるものの,土質判別が課題である。そして,これらの判定の品質は対策工法の設計品質にも影響する。
こうした背景から,今般提案する研究は,これまでの研究会で得た知見をもとに,地盤調査・判定・対策の総合的なリスクマネジメントと関連する技術をまとめ,発信することを目的とする。
<主な研究内容(案)>
① 長期の不同沈下リスクが高いとされる粘性土・ローム材料による造成地盤における長期載荷試験での沈下量と各種動的貫入試験を比較し,沈下リスク評価の可能性を検証。
② 地震時の液状化被害の予測精度に関し,近年の震災被害と,各種地盤調査法による判定手法(SWS試験によるH1-H2法,動的貫入試験によるFL法)を比較し検証。
■参加条件:正会員、準会員、学術会員
■関連する業種:住宅メーカー,研究機関,大学,住宅地盤の調査会社
■研究会期間:初回開催日から1年間
■研究会構成:主査: 積水化学工業株式会社 二川 和貴,幹事: 株式会社トラバース 相沢 彰彦
■募集期間:2024年 8月26日~9月6日
■参加希望、お問い合わせは、(1)会員企業名、(2)ご所属、(3)氏名、(4)連絡先(TEL、FAX、e-mail)、(5)(参加希望の方は、)研究会への期待や貢献を、下記までお知らせください。
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