建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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92 CBRD 20th Anniversary(株)竹中工務店 佐野 祐士 デザイン手法‌アイデアコンペ 作品事例-10‌2022年度‌最優秀賞‌ 夏でも冬でもパッシブな快適性を実現する多機能ルーフの‌ 屋根や開口部における日射遮蔽デザインは、屋内外問わず、空間の温熱快適性に大きく影響を与える。快適性の面からは、夏場は高い日射遮蔽率、冬場は日射を多く取り込むデザインが求められる。このような要求を満たすために、太陽高度・太陽方位に応じて面積当たりの日射遮蔽率が変化する形状、および反射や輻射などの物性を満たす多機能ルーフを、最適化技術によりデザインする。 多機能ルーフによるパッシブ環境制御の実現性を検証するため、最適化と環境シミュレーションによる性能評価を行う。多機能ルーフのデザインは、材料や形状パラメータの膨大な組み合わせパターンから探索する必要がある。また、デザインごとに環境シミュレーションを行い、要求性能を満たすかを限られた計算資源でチェックする必要がある。 本研究では、複数の探査ストラテジーを同時に使い、設計空間を自己学習する最適化技術を採用することで、計算資源を高効率で活用し、環境性能の高いデザインを迅速に得ることが可能である。

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