建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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CBRD 20th Anniversary 89アイデアコンペ 作品事例-4‌2016年度‌最優秀賞‌ 次世代型安全管理システムアイデアコンペ 作品事例-5‌2017年度‌最優秀賞‌ 防災地下シェルターの早期普及に関する研究-強靭な防災社会を実現する建築基礎・地盤技術-‌大和ハウス工業(株) 南野 貴洋 ‌ 近年、わが国は北朝鮮のミサイルによる脅威に曝されており、Jアラートが発報しても、避難場所の無いことを国民の多くが実感した。今こそ、真の強靭な防災社会を実現するために、建築基礎・地盤を中心に異業種が連携し、産学官が一体で国難に立ち向かいたいと考える。 本研究は、核兵器などの人為的災害、及び地震などの自然災害に対処でき、かつ付加価値の高い「防災地下シェルター」を早期に普及させることを目的とするものである。 シェルターは、有事の核兵器や生物・化学兵器などに加え、地震、津波、洪水などの自然災害にも避難場所として機能する。 常時は、物品庫、食品庫の他、音楽室、トレーニング室など多様な利活用を建築計画において実現する。シェルターの要求性能など技術的側面だけでなく、新たに基準法上での取り扱い、助成金、税制優遇などの課題を整理し、早期の普及を目指す。新菱冷熱工業(株) 麻田 鷹司  1件の重大な事故・災害の背後には29件の機微な事故・災害があり、さらにその背景には300のヒヤリ・ハット体験があることが知られている。そこで、ヒヤリ・ハット等の情報をできるだけ把握し、迅速、的確にその対応策を講ずることが労働災害の防止につながるといわれている。いっぽう、潜在的なヒヤリ・ハット体験もあり、そのすべてを把握することは困難である。 本提案は、ヒヤリ・ハット体験にもとづく生体反応をウェアラブル機器を用いて検出して危険箇所を把握するとともに、AR技術を用いて危険箇所を周知するシステムである。このシステムを用いることで、建設業界での労働災害を減少させることが可能となる。 ヒヤリ・ハット体験に基づく、生体反応および危険箇所を、ウェアラブル機器を用いて検出する。それらの情報をクラウド上で解析し、その結果が、各作業員のウェアラブル機器にリアルタイムに配信される。そうすることで、都度変わる危険箇所を各作業員が把握することができるシステムである。

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