建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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2 CBRD 20th Anniversary 2022年に、建築研究開発コンソーシアムは創立20周年を迎えました。創立以来、順調に活動を進め、産官学連携の研究開発において実績を上げてまいりました。ひとえに会員の皆様、関係諸団体の皆様のご協力と国土交通省のご指導によるものと感謝いたします。 創立された(2002年)の時代は、厳しい社会経済状況から、建設投資の減少とこれに伴う建設関係の研究費の縮小が続いていました。こうした時代も背景として、建築・住宅に係る研究開発の推進を図るべく、産官学の連携と多様な業種からの参画を可能とする開かれた研究開発の枠組みの構築を目指して、建築研究開発コンソーシアムは設立されました。 建築・住宅分野の研究開発には、4つの特徴があります。  (1)技術を建築物や都市に実装していく段階においては、複数の職種や業種の関与が必要であること  (2)産業界に定着させるには、個人や1法人の頑張りだけでは難しいこと  (3)評価の方法自体も同時並行で整備する必要があることが少なくないこと  (4)社会的課題の解決には、社会の仕組み自体の見直しも考案する必要があること これらの建築・住宅分野の研究開発の特徴は、設立時に目指した研究開発の枠組みの構築とも合致していることもあり、本会の有意義性の発揮につながっています。 2022年末現在では、建築研究開発コンソーシアムの研究会は、延べ200を超え、その分野は材料、構造、防災、環境・設備、ICT、都市再生など、建築・住宅の多岐にわたっています。 この10年、本会では、交流推進機能、インキュベーション機能、研究開発推進機能、成果普及機能という4つの機能の充実を中期ビジョンにも掲げ、活動しています。 特に、インキュベーション機能の充実として、研究開発課題を発掘に資する取組み、将来を担う人材の育成の2つの事業にも新たに取り組んでいます。建築研究開発コンソーシアム 会長澤地 孝男産官学による研究開発を推進する創立20周年を迎えて1

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