建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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コラムミサワホーム株式会社 上野 郁恵68 CBRD 20th Anniversary「若手技術者交流会に参加して」 このたび若手技術者交流会に参加させていただき、大変有意義な時間を過ごすことができました。若手技術者交流会に参加させていただくまでは、私自身が主に担当する、住宅の遮音性能に関する技術開発を進めるにあたって、ご相談させていただく企業様や試験機関の方々との情報交換や交流が中心でありました。特に、コロナ禍においては、担当分野の研究会やセミナー等でもオンライン化が進み、外部とのつながりは自らが働きかける範囲内に留まっておりました。改めて、これまでを振り返ると、技術開発を行う上での視野も、弊社の工法の特徴や、これまでの慣習や経験にのみ基づき、狭まっていたように感じます。 しかし、若手技術者交流会を通じて、建設業界の幅広い分野において研究や開発業務に取り組む同世代の方々とのつながりを持つことができ、技術開発を行う上での視野や知見も広げることができました。 特に、同業他社であるハウスメーカーの工場見学の際に、ゼネコンからご参加されている方から、「ゼネコンが手掛ける建物は一品受注生産であるため、自由度が高く、その建物やお客様の要望に応じて研究・開発した新技術を適用することができる。しかし、幅広い層のお客様をターゲットにした住宅を中心に提供するハウスメーカーにおいて、新技術を適用するにあたっては、再現性や汎用性も求められるため、非常に難しいと感じる。ハウスメーカーの建物は工業化が非常に進む中で、建物を造る流れや仕組みを整理しながら、多くの技術が適用されており、感心する。」との言葉を伺いました。この言葉を通じ、ハウスメーカーとしての強みを改めて感じるとともに、弊社の工法等に固まりがちであった視点を一歩引いて見ることで、視野を広げることができました。 若手技術者交流会が終了した後も、ともに参加した企業様との情報交流会を開催する等、交流を深めております。これからも若手技術者交流会を通じて得られた、分野の異なる、同世代の多くの方々とのつながりを育み、視野を広げ、ともに刺激を受け合いながら、技術者として邁進したいと思います。

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