建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
63/132

CBRD 20th Anniversary 57コンソ・プラザ  テクニカルフォーラム 事例-12013年度 テクニカルフォーラム 2013/7/17「積層複合材料を用いた建築内部空間に係る火災安全性の検討」コンソ・プラザ  テクニカルフォーラム 事例-22014年度 テクニカルフォーラム 2014/10/20「子どもの住宅内事故の現状と、技術面における事故予防の方法に関する考え方」講師:東京理科大学 教授 小林 恭一、東京大学 准教授 野口 貴文 サンドイッチパネルに代表される積層複合材料を建築内部空間に使用した場合の火災安全性については、当会の勉強会(2011年5月〜2013年4月)で検討した可燃性外壁と同様あるいは類似する材料を使用しているものの、火災性状自体は大きく異なり、これまで充分な検討がされてきたとは言い難い状況にある。また現在国内で使用される小型の発熱性試験は、表面のみに加熱を与える形式のため、積層複合材料の評価には必ずしも適していないことも明らかになってきた。 よって、小林恭一教授の「各種積層複合材料の燃焼性に関連する建築基準法と消防法の取り扱いと課題」、また野口貴文准教授の「積層複合材料を用いた建築空間に係る火災安全性能評価手法の確立に向けて」の講演により、当該案件の緊急性の認識を共有し、建築内部空間への積層複合材料の使用に際し、これまでとは異なる新たな火災安全評価手法を検討しようとするものである。講師:日本大学理工学部 教授 八藤後 猛 建築物などで起こる事故は、建築物や設備そしてそのしつらえにあり、配慮があれば事故は起こらないという認識が次第に広まってきた。一方で、「子どもには事故がつきもの」、「子どもは発達の段階で、小さな事故を経験して、大きな事故への回避能力を身につける」は、子どもの保育や教育に携わる人たちに流布している。高齢者住宅も「完全なバリアフリーよりも、ある程度段差があったほうが体力維持に効果があり呆けにくい」という考えは定着してしまっている。これらは重大事故へつながる芽であり、本来は摘み取られなければならない。一方、ここ十年間という短期間で子どもの事故は発生率が大きく減少している。この解明は住宅内事故の減少を実現する鍵になる。関連法の整備、住宅建材・設備等の発展が大きいとみている。事故発生メカニズムと環境整備の重要性を紹介する。

元のページ  ../index.html#63

このブックを見る