建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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1 多様な主体が連携した枠組みの充実・強化 建築・住宅関連分野においては、課題の解決を図るため、産・官・学の連携と多様な業種からの参画を可能とする、開かれた研究開発の枠組みが必要で、今後ともこの枠組みの充実・強化を図っていかなければならない。2 ‌‌アイデアの創出や技術開発を通じた会員へのサービスと社会への貢献1 交流推進機能 産・官・学、異なる業種、研究者・技術者・実務者といった多様な属性を持つ会員による活動を円滑に推進するため、会員に有益と思われる情報を提供し、会員間での情報2 インキュベーション機能 パラダイムシフトが起きた社会・経済のもとで生じている課題の解決を図るためには新たな発想に基づく技術的イノベーションの創出が必要で、そのための研究開発の担い手となる若い人材の育成を支援するスキームや、異業種の研究者、技術者が自由に議論することを通じて新たなアイデアや技術開発の種を生み育てる場を提供する。3 研究開発推進機能 重点的、効率的な研究開発の推進や、異なる分野を融合した新たな研究開発に着手するために、複数の企業、大学、研究機関等が連携し、異業種の企業が共同して研究開発を推進する場を用意し、会員の人的・経済的資源を有効に活用できるような助言や支援等を行う。4 成果普及機能 コンソーシアムの活動内容を広く会員に対してタイムリーに提供し、会員が有する技術等を社会に還元するため、国への働きかけや関係機関からの業務受託を行うとともに、コンソーシアムの活動に関する情報発信を行う。CBRD 20th Anniversary 35 2002年度から、運営委員会、業務企画委員会、技術情報委員会、研究開発推進委員会の4つの委員会で活動が開始された。創立10年を経過した2012年度に会長指示により10年後を見据えた活動計画の策定が始まり、2013年6月の通常総会において中期ビジョン(案)が報告され、同年8月に「中期ビジョン-2013」が成立した。これを受けて、活動の見直し及び委員会を再編した。さらに5年を経過した2018年度には一部見直しが行われ、改訂版として制定された。「中期ビジョン-2013(2019年改訂版)」は基本理念、ミッション、活動方針、推進体制から構成されており、基本理念とミッションの概要は次のとおり。 新しいパラダイム下での課題解決のため、建築・住宅に関わる多様な分野の研究者、技術者が交流しお互いに刺激しあえる場を提供し、この場から生まれるアイデアや技術開発を通じ、会員に対するサービスと社会貢献をめざす。 基本理念を実現するため、会員に対し研究開発のための共通基盤(研究開発プラットフォーム)として、以下の4機能を持たせ、会員の協調と連携のもとで活動を推進する。共有や会員相互の情報交換の場を設けることを通じて、会員の交流を推進する。 この基本理念及びミッションのもとで、コンソーシアム活動を円滑かつ効率的に推進するため、以下の推進体制が定められた。会長のリーダーシップのもとでの機動的な運営、すなわち会員の自主性な活動や運営をベースとして、急激な変化を続ける社会情勢や災害等非常事態に対応するために、必要な時に機動的に会長のリーダーシップを発揮できる運営を行う。具体的には、交流推進機能、インキュベーション機能、研究開発推進機能及び成果普及機能という研究開発プラットフォームの4つの機能に即した活動の展開を図るため、機能に対応した委員会構成へと再編した。 また、活動を円滑に進める上で事務局の果たす役割は非常に大きく、事務局によるコンソーシアム会員の活動支援を継続して行っていくため、会員の理解を得つつ業務を遂行する。(3)活動体制の変遷基本理念ミッション

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