建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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CBRD 20th Anniversary 23建築研究開発コンソーシアムへの思い 喫緊の課題への取組みに述べさせていただいたとおり、脱炭素社会への対応やDXへの取組み、生活様式の変化など社会課題への対応には、異業種を含む幅広い企業や組織が連携し、共創活動を推進することが重要です。 本コンソーシアムでは20年前より建築に関係する産官学界などが連携し、さらに建築以外の関係者も参加される多様な人材が交流する場を設けており、多様な叡智を結集して取り組むことができる研究開発のプラットフォームが形成されています。現在行われている多数の研究会活動や研究企画ミーティングは、まさにこのプラットフォームを介して活発な活動が行われており、今後も継続・発展させていくべきものです。また、若手技術交流会や研究開発人材育成プログラムを通じた様々な連携活動を実践できる人材教育にも大いに力を入れていき、次世代の有望な技術者が横断的に活躍できる土壌を培っていく必要があります。建設業が永続的に発展していくために、微力ながら本コンソーシアムの活動のお役に立てるように取り組んで参りますので、引き続きよろしくご協力を賜りたくお願いいたします。だけでは、我が国の目標達成は困難であり、複数の企業あるいは建設関連企業が協働して推進してゆくべき状況になっています。また、人口減少と高齢化社会への対応を背景に、建設業における“働き方改革”は、ロボットの活用やデジタル技術によって解決の糸口が見いだせる可能性が高く、企業の労働環境の改善や生産性向上にも大きな効果を発揮するでしょう。こうしたロボット技術やIoTアプリに関しても単独の企業が独自に技術開発・導入することは非効率であり、建設RXコンソーシアム(RX:ロボットトランフォーメーション)など業界をあげた活動が始まっています。 新型コロナウイルスの蔓延中や終結後の生活様式がテレワークを主体とした形式に変化しようとしている中、新たな住宅・建築空間の提供に役立つ技術開発の推進も必要になるものと思われます。企業によってはオープンイノベーションにより新たな空間価値を創出するため、オープンイノベーションを推進するための拠点整備や、国内外のスタートアップ企業への出資が活発になっています。脱炭素社会への対応やDX(デジタル・トランスフォーメーション)の分野では、グローバルな共創パートナーと連携も必要でしょう。 他国での紛争の影響の少ない調達や価格の安定化といった問題は、技術的な視点だけで解決できるものではありませんが建設業界全体の問題であり、企業間での情報共有も必要になってくる課題です。

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