建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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CBRD 20th Anniversary 21 このたび建築研究開発コンソーシアムが、創立から20周年を迎えられましたことを謹んでお慶び申し上げます。総合建設業やハウスメーカーをはじめ、建材メーカー、設備・エネルギー関連の企業や学術調査研究の主要な団体が参加し、多業種連携の下で活動が継続されたことは、関係者の努力の賜物であるとともに、コンソーシアムの活動が広く業界全体において必要とされてきたことの証でもあります。 この20年を振り返れば様々な変化が見られましたが、特にここ数年で環境は激変しており、地球規模での気候変動リスクや世界的な経済停滞の懸念、新型コロナウイルス感染症の影響など、将来が見通せない状況に置かれています。不確実性が高まっている時代の経済活動においては、SDGsに代表される多くの課題に対処しつつ、広く社会からの信頼を得た上での成長発展が求められており、とりわけ建設・住宅産業はこれら多様な課題への関わりも大きいことから、その解決への期待と責任も大変に大きいと考えられます。 建設・住宅産業における足元の課題に目を向けますと、近年長時間労働といった働き方に関する問題が表面化しましたが、業界を挙げての取組みにより徐々に克服されつつあります。現場労働者や建築士といった事業継続に不可欠な人材の不足と高齢化は今後も大きな課題となりますが、コロナ禍をきっかけに普及したデジタルツール活用による生産性向上の動きはこれからも拡張が見込まれ、人材問題の解決にも役立つことが期待されます。さらには、カーボンニュートラル達成に向けた、省エネルギー性能の向上と再生エネルギーの活用も進み、CO2排出削減への取組みが加速しています。 このような様々な社会的課題は相互に関連しており、個社単独での取組みはもとより業界全体での対応ですら解決は困難になりつつあります。先に記したように、解決すべき課題は人々の共通認識となってきました。まさに今後は業界を超えた連携による課題への取組みと、目標の共有化が問題解決に必要となるのではないでしょうか。そしてこの点においてコンソーシアムがこれまで培ってきた実績と経験を生かして、産官学連携による研究開発の普及と支援が望まれます。 もう一つのコンソーシアムの大事な役割が人材育成です。我が国の科学技術の停滞が言われて久しい今日においても、建築・住宅分野の研究・技術開発は世界に誇るべき水準にあります。自然災害の多発する都市において高い防災性能と機能性を両立し、かつ優れた意匠性を併せ持つ建物を供給してきた実績は、正にそのことを示しています。そのような高度な技術の将来を担う若手・中堅の技術者が、より高い視座と見識を身に付け、幅広い人脈を形成するきっかけとしてコンソーシアムの場がさらに活性化することが求められています。 これまでコンソーシアムにおいては、会員への情報提供、共同研究の促進、担当者向け研修さらには各種基準の制定など、幅広く業界の発展に資する活動を推進していただきました。各年度の活動報告書などからも分かりますようにこれらの活動は盛況に推移していますが、社会的課題への取組み態勢の支援という面において、さらに会員の間口を広げることも必要となります。 これからも建築研究開発コンソーシアムの活動が進化を続けることで、建築・住宅分野の研究開発が推進され、持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを期待して、創立20周年に際しての挨拶とさせていただきます。旭化成ホームズ株式会社代表取締役社長 兼 社長執行役員川畑 文俊持続的な発展のための活動の継続と進化

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