建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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14 CBRD 20th Anniversary 創立20周年を迎えられ、心からお祝い申し上げます。 貴コンソーシアムは2002年の設立以来、建築・住宅の魅力向上に向けた研究開発のプラットフォームの確立を目指して、新たな協調・連携体制を整備されるともに、多様な研究機関・企業等の幅広い結集を図るなど、様々な活動を展開して来られました。 その中で積極的な委員会活動はもとより、累計200回を超える幅広いテーマの研究会、コンソ・プラザにおける講演会・勉強会、若手技術者の交流会などを通して、建築・住宅に関する技術の向上について多くの成果をあげられました。またアイデアコンペや、分野・業種連携での研究開発人材育成プログラムにより、アイデア創出や新たな発想に基づく技術的イノベーションの創出を支援されるとともに、メールマガジンやホームページなどで積極的な情報発信・周知活動を行って来られました。関係する皆様方のご努力に改めて心から敬意を表します。 建築・住宅に関わる業界がおかれている環境は依然として厳しい状況にあります。昨今は、ロシアによるウクライナ侵攻を背景とした国際的なエネルギー価格・原材料価格の上昇、欧米の急速なインフレとその影響による円安など、内外の経済環境は先行きの不透明感が増しています。また新型コロナウィルス感染症は発生から3年が経過し、徐々に経済活動が正常化へ向かいつつありますが、変異株の脅威などもあり、引き続きポストコロナ時代に相応しい建築や住まいのあり方を求めていかなくてはなりません。 加えて従来から取り組んでいる地球環境問題、とりわけ2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みも加速しなくてはなりません。さらに深刻化する少子高齢化社会への対応、住宅団地の再生、空き家対策、品質・性能の劣る大量の住宅ストックの存在、大工技能者など担い手の不足等、当業界を取り巻く様々な課題にも継続的に取り組んでいく必要があります。 こうした課題は、社会・経済に広範かつ複合的にかかわっており、国や地域社会の将来像を深く洞察しながら取り組んでいく必要があります。またテーマが複数の省庁にまたがるケースも多く、これまで以上に幅広い分野からのアプローチや産・官・学の連携、多様な業種からの参画が欠かせません。そのような背景から、今後も貴コンソーシアムにおける会員相互の異業種・異分野による幅広いつながりを活かし、ZEHなど断熱性能の高い住宅、木造建築物の中高層化技術、建物内での感染症対策の効果および安全性評価など建築・住宅分野での成果をさらに積み上げていかれることを心から期待いたします。 さらに今年は関東大震災から100年となりますが、当連合会は、人命に直結する住宅分野を担う者として、安全・安心な住宅の供給と街づくり、安全な立地条件の確保、災害に備えたレジリエンス性の向上などに努めております。貴コンソーシアムにおいても水害対策技術の開発・普及や地震時損傷の抑制、基礎・地盤に関する研究など防災・減災のための多くの研究が進められていますが、今後もさらに有意義な研究成果を上げられ、防災・減災、国土強靭化により一層貢献されることを期待しております。 今後も多くの研究成果を社会に発信され、持続可能で安全・安心な社会の形成に貢献されますことを期待いたしますとともに、次の10年に向け貴コンソーシアムの益々のご発展と関係の皆様方のご健勝を心から祈念し、お祝いの言葉といたします。一般社団法人住宅生産団体連合会 会長芳井 敬一プラットフォーム機能を活かして研究開発の更なる成果と発信に期待

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