建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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CBRD 20th Anniversary 9 建築研究開発コンソーシアムが令和4年7月に創立20周年を迎えられ、今般、記念誌が刊行されること、大変おめでとうございます。この際、一言お祝いを申し上げたいと存じます。 貴コンソーシアムにおかれては、建築・住宅に係る企業、研究機関等が、自主性と競争的な研究開発環境を尊重しつつ協調・連携する体制を整備し、研究開発資源の重点的かつ効率的な投入を促すことで、新たな価値創造に貢献することを目的に、平成14年に創立されました。それ以来、異業種の様々な企業・団体や研究機関、学識者の参画と交流のもと、建築・住宅・まちづくりに関する研究開発や人材育成等に精力的かつ着実に取り組んでおられると承知しております。 会員からの提案に基づき、毎年度、社会ニーズに対応したテーマで研究会を設置し、産学官が連携して共同研究を実施してこられた結果、本年度までに約200の研究会が設置され、各社における研究開発の更なる推進や業界全体の技術力向上等に大きく寄与しておられます。また、近年では、「研究開発人材育成プログラム」や「若手技術者交流会」なども実施され、研究開発に係る人材育成にも貢献されています。 めまぐるしく変わる現下の社会・経済情勢のニーズに的確に対応し、建築・住宅に関する課題を解決するために、業種や分野を超えた共同研究プロジェクトの展開や、次の世代を担う若手の育成活動など、多様で幅広い活動を行ってこられた貴コンソーシアムに対し、深い尊敬の念を抱かずにはいられません。 さて、我が国の住宅ストックの状況をみますと、耐震、省エネ、バリアフリー等の性能が不十分な住宅が多く、また、空き家が年々増加しています。将来世代に継承できる良質なストックの形成のため、高い性能の住宅への新築・建替え、リフォームによる性能向上を図るとともに、空き家対策も加えた三本柱の政策を総合的に進めていかなければなりません。とりわけ、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、ZEH等の省エネ性能の高い住宅の普及や既存住宅の省エネ対策を加速させるとともに、多世代にわたって引き継がれるに相応しい長期優良住宅の更なる普及・促進に取り組んでいく必要があります。さらに、住宅・建築物の耐震化や火災対策などによる安全性の確保やBIMの活用などによる生産性向上なども忘れてはならない重要な課題です。 こうした諸課題の解決に向けては、国土交通省としても諸施策を充実強化してまいりますが、産学官、そして業界・分野を超えた連携に取り組む貴コンソーシアムの皆様に技術的側面からお力を賜ることが何としても必要です。 貴コンソーシアムがこの20年間に蓄積された知識・技術やノウハウを諸課題の解決と社会の発展のために大いに発揮していただき、今後とも、我が国の住宅・建築産業界の健全な発展を牽引されること、ひいては国民の皆様の住生活の向上のために力を尽くされますことを心から切望する次第です。 結びに、貴コンソーシアムと参画されている各社の益々の発展を心より祈念いたしまして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。国土交通省 住宅局長塩見 英之創立20周年に寄せて

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