建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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CBRD 20th Anniversary 7 建築研究開発コンソーシアムが20周年を迎えられたとのこと、誠におめでとうございます。この間コンソーシアムの運営を支え、発展にご尽力された皆様方に心から敬意を表します。 さて、「20周年」という言葉は、設立に多少なりとも関わりました私にも感慨深く響きます。設立準備当時、私は国土交通省住宅局住宅生産課建築生産技術企画官の職にありました。住宅生産や建築技術を所管する住宅生産課のスタッフ管理職です。前内閣総理大臣補佐官、元住宅局長の和泉洋人氏が10周年記念誌に寄せた一文に設立の背景等が簡潔に整理されています。和泉氏からこのような考えを伺った上で建築研究所に協力して設立の手伝いをするように言われたのが昨日のことのように思い出されます。ここでは当時関係者と議論したことなどを思い出しながら、コンソーシアムの設立のプロセスや当初の運営の考え方等についてご紹介しようと思います。 まず、コンソーシアムの運営の要に独立行政法人建築研究所(現国立研究開発法人)を据えることは当時の(初代)理事長の山内泰之氏がコンソーシアムの設立に積極的であったことから既定のこととして準備が始まったように思います。 会員企業を募るにあたり、中堅ゼネコンのみならず、建築の技術開発に幅広く関わり、先進的な技術力を持つ大手5社の参加は欠かせないものでした。しかしながら、社によっては自社の技術研究所単独でしっかり機能しているというようなことで、コンソーシアムへの対応には温度差がありました。当時の住宅生産課長であった佐々木宏氏と各社の幹部を回り、理解を求め、5社すべてのご賛同をいただきました。コンソーシアムは建築住宅関係企業の幅広い参画を得ようということで大手ハウスメーカーの参加も不可欠でした。ハウスメーカー各社は最初から積極的に参加意向を示していただいたように思います。 規約上は互選ですが、運営上の慣例として会長には建築研究所理事長を、副会長はゼネコン5社とハウスメーカー5社(現在は6社)にそれぞれ持ち回りでお願いすることとしました。 次にコンソーシアムの姿を決める会員制度(会員種別と構成)です。建築住宅技術のすそ野は幅広く、できるだけ多様な業種の企業に参加いただくべきと考えました。また、財団法人を含む研究開発機関にも声を掛けました。コンソーシアムの中心となるのはこれらの企業等です。研究開発の実施主体となる企業、研究開発機関等は原則として正会員で入会していただくこととしました。企業から構成される社団法人(いわゆる業界団体)を想定して情報会員の制度を設けました。大学は法人の性格等から会員にはなじまないと思われましたが、大学人を含む学識経験者個人の参加もコンソーシアムの活動を重層的なものにするためには不可欠でした。学識経験者個人についても情報会員として参加いただくこととしました。 会費は正会員を中心として負担いただくルールとし、議決権は正会員のみが有することとしました。 運営上の基本的事項を審議する運営委員会の委員長は会長が指名することとなっており、慣例的に建築研究所の理事がその任にあたっています。 コンソーシアムのこれまで歩みを見ますと、当初想定したようなハードな共同研究はあまり行われていませ株式会社日本建築住宅センター 代表取締役会長井上 俊之設立時のこと

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