建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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118 CBRD 20th Anniversary相違点と、タイプを跨ぐ共通点を手掛かりとして現在地を確認し、人口規模・産業構造が類似している自治体、近隣自治体や世代別人口増減率が類似している自治体を比較対象として導きだした。それを該当自治体のレーダーチャートを参照し、まちの特徴を形や数値から比較することができるようになっている。このようにして市民の幸福感を高めるにあたり、それぞれの因子ごとの特性や因子間の関係性を理解することで、指標を効果的に活用できる。まずは市民の幸福の因子を探し出し、それを向上させる施策を産官学民で検討していくべきである。 今後は、例えば20年後には「家族全員が心豊かに暮らせる近郊のまち」になって欲しいのか、あるいは「文化創造エネルギーに溢れるバイブランドなまち」や「知識創造を核とする次世代産業デザインのまち」なのかといった目指すべき街のモデルの想像に役立てることにつながり、これをパッケージ化していくことができれば付加価値としての明確なメッセージが出てくるのではないかと考える。 スマートシティの考え方は、環境共生や人間の本質的なものへと深まっており、単なるデジタル実装ではないということ。そのためには測定が必要で、それを実装するには社会システムのデザインが必要だと考えている。

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