2 JIS原案作成 JIS原案作成では、「建設ファサードの燃え拡がり試験方法」および「建築内装用サンドイッチパネルの中規模火災試験方法」の2件が行われた。 二つのテーマとも複数年にわたり活動が行われ、「建設ファサードの燃え拡がり試験方法」は、(一社)日本規格協会の公募に採択され運営費等の支援を受けてJIS原案を作成し、工業標準調査会の専門委員会の審議を経て新規JIS A 1310として制定された。さらにJIS本文の改定を意図して公募に応募し採択されたことを受けて、原案作成委員会を設置しJIS原案を作成した。その後、国土交通省の審議等を経て「JIS A1310-2019 建設ファサードの燃え拡がり試験方法」として2019年2月に公布された。 「建築内装用サンドイッチパネルの中規模火災試験方法」3 建築基礎・地盤研究開発推進活動 頻発する地震被害に対して取り組むべき技術的課題が多い一方で、建築基礎・地盤の研究に従事する人材は減少しつつあり、将来の研究開発への支障も懸念されている。この問題の打開に向け、建築研究開発コンソーシアムに研究会を設けて研究開推進のためのロードマップ作成等に着手した。準備のため「建築基礎・地盤研究開発推進プロジェクトチーム(PT)」が建築研究開発コンソーシアムの正会員有志より結成され、2017年度~2018年度にかけて、情報収集、討議、関連行事の開催等の活動を行った。 具体的には、問題提起および最新の研究動向の情報共有の場となるシンポジウム開催、アンケートの実施、研究会に向けた準備資料の作成が行われた。また異業種メンバーからなるプロジェクトチームにより、ロードマップの枠組み、研究人材の現況などについて活発な議論が行われ、さらに研究会においても活動は継続的に行われ、ロードマップのホームページでの公開や新たな若手勉強会活動が行われた。年 度件名、委託元、契約期間「ブレース付きボックスコラム鉄骨建築構造の研究」一般社団法人日本鉄鋼連盟平成25年5月14日から平成26年3月31日まで2013 冷間成形角形鋼管を柱に用いた中規模鉄骨ブレース構造において、阪神・淡路大震災や東日本大震災で、ブレース材と柱、或いは梁との接合が不十分なためそれら接合部から破断した被害があり、また、ブレース材の構面外への座屈に伴う外壁や内装材の破損、脱落が多く見出されている。概 要CBRD 20th Anniversary 111する技術等を社会に還元するために、コンソーシアムに相応しい研究開発を着実に継続することである。 2012~2015年度に3件受託しており、発注者は、国土交通省、(一社)日本鉄鋼連盟、省エネルギー等国際化標準化・普及基盤事業に応募・採択された企業である。 (一社)日本鉄鋼連盟から受託した「ブレース付きボックスコラム鉄骨建築構造の研究」は中規模鉄骨ブレース構造の包括的な課題の解決を目指して行われ、成果は報告書として取り纏められた。この成果の一部は、2016年に改定された「冷間成形角形鋼管設計・施工マニュアル」に盛り込まれた。 省エネルギー等に関する受託研究開発は、高断熱積層複合材料の火災安全性評価方法に関する国際標準化に関する事業であり、研究の中で新しい評価方法を開発し、ISO規格原案作成委員会を構成するなどの発展につなげた。 住宅建築技術高度化・展開事業に採択された事業は、モンゴル国における我国の耐震建築・高度建築技術の展開に関する基礎調査で,本会に「モンゴル調査委員会」を構成し、会員の組織力・ネットワークを活用して調査が推進され、現地視察、セミナーの開催を通じて課題を整理して次の展開につながる成果が得られた。に関するJIS原案作成は、内装材に多用される積層複合材料の火災安全性の評価に小型発熱性試験が採用されている現状に対して問題提起を行い、ISOの大規模試験を参考にしつつ工学的に適切かつ実施しやすい中規模火災試験方法について(一社)日本規格協会と共同して新規に原案を作成した。原案は審議を経て「JIS A 1320:建築内装用サンドイッチパネルの箱型試験体による燃焼性状試験方法」として2017年3月に制定された。続いて研究会の成果を踏まえて標準加熱手法等の追加が必要と判断し、JIS原案作成委員会を構成し改定作業を開始している。 これら3つの成果・普及活動は、会員の多面的な知識・知見、具体的な行動が結集された活動であり、今後も社会的な重要課題の解決に対して貢献するものと期待される。受託研究開発の実績を表2.3-22に、JIS原案作成対応の実績を表2.3-23に、建築基礎・地盤研究開発推進活動の実績を表2.3-24にそれぞれ示す。【表2.3−22】受託研究開発一覧
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