建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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00073,10,00043,000CBRD 20th Anniversary 103研究会 事例-5木造建築物の中高層化技術研究会研究会 事例-6簡単に移設して継続利用が可能な「移動式小規模建築物」に関する研究②‌‌「土地の有効利用に資する木造建築物の高層層化技術の開発」及びPRISM「バイオ技術領域」におけるマスティンバー工法、接着パネル・集成材複合部材による構造の設計例を完成させた。<概要> 研究の目的は、安全で良質な移動空間を普及させるため、簡単に設置・移設して継続利用可能な「移動式小規模建築物」を新たに定義し、その基準・法令等の具体案をまとめることである。現状、随時かつ任意に移動できるトレーラーハウスは建築基準法の対象外であるが、タイヤをなくすと建築基準法上の建築物として設置基準が一気に厳しくなり、タイヤの有無で基準が大きく変わる不合理な状態である。 研究会では以下の活動を行い、移動式小規模建築物の普及には、規制の厳しい住宅地における通常時の設置及び移設の簡便さと、利便性向上が課題であることが分かった。‌‌<成果>①‌‌移動式小規模建築物を規制の厳しい住宅地に通常時に設置・移設する場合について、具体的な事例を作成し、仮設・本設ルートについて法令上の課題を整理した。・移動空間の事例収集と現地調査‌・関連法令の現状把握と課題整理・移動式建築物の具体案作成‌②‌‌簡単に設置できる基礎の具体例と構造検案を作成し、実現する上での課題をまとめた。‌ 通常時に簡単に設置・移設し、様々な用途として使い続ける建築物を実現するには、現行法の枠組みでは限界があり、法改正が必要である。期間:2020/1〜  代表:槌本‌敬大(建築研究所)幹事:秋山‌信彦(国土技術政策総合研究所)‌、山崎‌義弘(建築研究所)‌、谷口‌翼(銘建工業)<概要> 民間研究開発投資拡大プログラム(PRISM)「バイオ技術領域」によるアドオン施策「木材需要拡大に資する大型建築物普及のための技術開発」のうち、①-1「木材需要拡大のための木造高層建築物の汎用型設計技術」及び‌①-2「土地の有効利用に資する木造建築物の高層層化技術の開発」におけるマスティンバー工法、座屈拘束ブレースによる集成材構造、接着パネル・集成材複合部材による構造、集成材面材構造、集成材半剛節フレーム構造等に関する検討の方針、内容等について相互調整された研究成果を誘導する。各構工法、構造方法について構造設計方針、構造計算のクライテリア、大地震時の安全確保のための終局挙動の設計方法について、集中的に各会員の知見等も活用しながら検討した。<成果>①‌‌「木材需要拡大のための木造高層建築物の汎用型設計技術」によって、ブレース降伏型集成材構造、接着パネル・集成材複合部材による構造、集成材面材構造、集成材半剛節フレーム構造による10〜8階建ての構造一次設計例を完成させた。期間:2020/7〜2022/7  代表:岡崎‌浩徳(大和ハウス工業)・特定行政庁と審査機関へのヒアリング

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