建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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英国系国際査読ジャーナル(Fire‌and‌Materials)で、査読論文の採択に加えて、表紙にも採用(2021年12月)壁体内水分検知実験例水濡れガーゼ石膏ボード、断熱材を透過して水濡れ部を検出テラヘルツ波イメージング102 CBRD 20th Anniversary研究会 事例-3テラヘルツ波計測技術の建設分野応用に関する研究会研究会 事例-4建築内装用サンドイッチパネルの中規模火災試験方法:JIS‌A1320に基づく評価基準案の再検討を目的とした研究会<概要> 本研究会はテラヘルツ波非破壊検査技術の実用の可能性を検討してきた。勉強会や講演会を通して技術習熟を進め、計測テーマを検討して2回の計測実験を実施した。計測実験では合計30程度の計測テーマについて実験および結果検討が実施された。本実験で使用されたテラヘルツ波では、主に、石膏ボード、木材、断熱材および防水シートやシーリングなどの樹脂素材をよく透過し、非破壊・非接触で水分や厚み、腐食などを計測できることがわかった。一方で、コンクリート、モルタル、サイディングおよびCFRPに対して、SN比不足によりテラヘルツ波はほとんど透過しなかった。 これらの材料、特にモルタルやサイディングについては、ミリ波の周波数帯に近い、より低周波のテラヘルツ波を用いることでSN比の改善が期待できる。<成果> 本研究会の活動を通して、建築分野のテラヘルツ波非破壊検査技術の有用性を見出すことができた。 一部研究会メンバーと大学との間で共同研究も立ち上げられた。これらの成果は新たな非破壊検査技術の可能性を示すものであり、実験結果から示された課題も含めて、建築分野での実用に向けた取り組みをより一層進めていくことが望ましい。もにISO国際委員会に発信②‌‌今後の建築用内装用SWP及び同工法の開発において、一定の目安としての活用が期待できる③‌‌従来同列に見られていた建築用断熱SWP等の樹脂系内装材にも、火災安全上の等級区分が提示可能<発表>■日本建築学会大会‌学術講演会(梗概)(2021年9月)■‌‌Fire‌and‌Materials(英国系国際査読ジャーナル)“Development‌of‌a‌New‌Intermediate-scale‌Box‌Test‌on‌Sandwich‌Panel‌Products‌Compared‌with‌ISO‌13784-1‌Room‌Test‌and‌EN‌13501-1‌Classification‌System”(2021年12月)■‌‌成果をJIS‌A1320-2017の改正に活用:JIS改正委員会(2021年10月ー2022年5月)をコンソーシアムで開催し、2022年5月に改正案をコンソーシアムからJSAに対して提出済。■‌‌ISO/TC92/SC1国際委員会に日本からJIS‌A‌1320に基づく国際規格案を提案し、複数回に渡る国際投票および議論を経た上で、既に内容については国際的に承認され、現在ISO/PRF‌TS‌23657として、ISO中央事務局とEditorialな修正作業の対応中。期間:2018/11〜2021/10  代表:千村‌大(熊谷組)  幹事:水津‌光司(千葉工業大学)期間:2019/5〜2021/5  代表:野口‌貴文(東京大学)  副主査:小林‌恭一(東京理科大学)幹事:吉岡‌英樹(建築研究所(当時)、東京大学(現在))安藤‌達夫(前‌東京大学)<概要> 建築研究所との共同研究の下に、再度ISO13784-1(実規模試験)を実施し、JIS‌A‌1320‌(中規模試験)における評価基準(暫定目安)の確立を目指した。<成果>①‌‌国際的に通用する評価基準を提示し、JIS‌A‌1320の改正に反映させるとと

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