建築研究開発コンソーシアム20周年記念誌
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1 研究会 研究開発のアイデア等の具体化を支援し共同研究開発へ繋げることを目的とし、課題に対する共通認識の獲得、各種調査などの分析を通じて課題検討を行う場であり、参加メンバーを募り活動する。 この研究会については前期より順調な継続と発展を継承し、2013~2022年度の10年間で、総計97件の研究会の発足と活動をサポートしてきた。コンソーシアムの主要な活動目的である研究会は、盛況を呈しているということができる。2 研究助成 公益的な研究の推進を図ることを目的として研究費の助成を行なう。対象は、本会の共同研究開発プロジェクトまたは研究会で、公募対象分野(後述)に該当するテーマについて研究活動を行う際に活用される。 この研究助成に関しては、10年間で、総計61件に、総額2,800万円の助成金を提供している。2019年度に助成金申請テーマ(応募テーマ)が倍増したことにより(10件)、それまでの年度予算200万円を、300万円に増額し、さらに翌年には400万円に増額されている。一方、2021年度には、COVID-19感染拡大のため、実験等を計画している3 成果普及活動 会員が有する技術を社会に還元するため受託研究開発を推進する。また、技術基準の整備・見直しに関する国土交通省への提案を行うとともに、活動成果を建築基準やJIS等に反映するための助言や支援を行う。さらには会員ニーズなどに応じたタイムリーなテーマへの取り組みの場を提供する。 受託研究では2012~2015年度に(一社)日本鉄鋼連盟、国土交通省、省エネルギー等国際化標準化・普及基盤事業から3件の実績があり、その研究結果は「構造部材の設計・施工マニュアル」への反映、ISO規格原案作成への展開などの成果に繋がった。 JIS原案提案活動としては2件のテーマで複数年度にわたり活動が実施され、新規JIS原案として採択されるなど顕著な成果を上げた。その後も残課題に対する問題提起を行うなど追加活動が継続している。 2017年度には建築基礎・地盤研究開発推進活動が推進され、問題提起および最新の情報共有を目的にシンポジウムが開催された。成果はロードマップとして公開された。 一方、研究開発推進等委員会で担当してきたコンタクトポイント対応小委員会は、同委員会の廃止の方針が示されたことにより、2019年度には廃止となったが2013年~2014年度において、「鋼板の許容曲げ応力度に関する告示改正または行政上の適切な対応」について提案を行うなどの成果を上げた分野であった。94 CBRD 20th Anniversary 多様な業種からなる会員企業が共同して研究開発を推進する場や、会員の人的・経済的資源を有効に活用できるような研究開発のスキームを用意することを目的として活動する。また、コンソーシアムの諸活動の成果や、会員が有する技術等を会員のみならず広く社会に還元するため、国への働きかけや関係機関からの業務受託を推進することにより活性化に資することを目指し、①研究会 ②研究助成 ③成果普及活動 を推進している。それぞれの活動概要は次のとおり。研究会の見込みが立たないなどの理由から、助成制度の申請件数が減少する事態となった。このため、2021年度には4件に対して186万円が助成されるにとどまり、繰越金が生じることとなった。2022年度は、その繰越金も含め614万円の助成が8件に対して行われた。 研究開発推進等委員会の活動実績を表2.3-18に示す。また、表2.3-19に歴代の委員長、副委員長を示す。(4)研究開発推進等委員会の活動活動概要

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