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CONSOニュース詳細
  研究会「建築・住宅が長く活用されるために ~建築文化と技術のコラボレーション~ 」参加募集のご案内
内容

■提案者
藤井 俊二 (学術会員)
鈴木 あるの(学術会員)

■趣旨・概要
サステナブル社会形成の観点から、建築・住宅のスクラップ・アンド・ビルドが問題視されている。著名な建築や文化財に指定されている建築でも、維持して長く使われるのは容易ではない。普通の建築・住宅でも社会資本として都市の街並みを形成し、生活の豊かさを支えているものも多いが、そのような一般の建築・住宅が長く活用されるのはさらに容易ではない。
建築物が長く維持・活用されるのが困難な要因として、次の3点があげられる:
1. (建築の文化的価値の不明確さ) 建築物は多数あるなかで建築文化としての価値判定の基準や、保存・維持を提唱すべきか否かの判断の基準が、建築の専門家の間でも定まっていない。現状は、専門分野により判断基準が異なったり、議論が平行線をたどったままで、建築学会から所有者などに保存要望が提出されている。
2. (専門家の説明責任の不在)建築や街並みの社会的な価値があると専門家が判定した場合でも、専門家がその価値を関係者や一般市民に分かり易く説明できていない。そのため、建築・住宅が長く活用されるための、関係者や社会のコンセンサスを得ることが難しい場合が散見される。
3. (技術の整備が不十分) 建築を社会資本として維持しつつ最新の利便性を確保するための、改修技術と費用の目安が明確になっていない。そのため所有者や管理者が建築の維持・活用の可否を適切に判断できない。また、住宅の場合、改修によってどのように美観や利便性が向上するのか、費用がどのくらいなのかを所有者や購入希望者がイメージできるように情報が整備されていない。そのため中古住宅を購入して改修・利用しようという意欲が高まらない。
【研究会活動】このテーマは全ての建築に共通することではあるが、一般の住宅や文化財などについては、すでに建築学会その他で取り組みが始まっている。そこで本研究会においては、より社会問題として考えなければならない公共性の高い建築物に焦点を当てたい。
(価値の明確化) 
保存や改修が話題に上った建築について、建築の他分野の専門家の間で意見交換し、建築の価値の定義の明確化をはかる。専門家がその知識を前提として考える建築の価値、一般市民がメディアや流行や「著名作家の名前」などの影響下で感じる建築の価値、すべての人々が日常的かつ感覚的に感じる価値、これらの間の共通部分と違いについて検討する。
(コミュニケーション方法の構築) 
建築や街並みの社会的価値を一般市民にも理解できる形にするためのコミュニケーション方法を検討する。
特に街並みを含む建築の社会資本としての意義、各人の生活の豊かさとの関係を分かり易く伝達し、判断の俎上に乗せる方法を検討する。これら現状の課題を検討し、建築物の保存・維持・活用につながる技術と仕組みを構築し、建築におけるサステナブル社会形成を目的とする。
(技術の整備) 
既往の改修事例の調査と技術資料を作成する。建築本体を保存しながら機能を実用的に改修した事例の分析を行い、改修の方法論と価格の指標を明らかにする。
容積の移転による収益、改修後の営業による収益など、建物保存の経済性についても検討する。
一方、解体されてしまった建物について、現実的に保存する途があったのか否かを多角的に再検討する。

■想定される成果
下記の成果に向けて活動を行う:
・ 建築文化、建築技術、行政、経済など関係分野のコラボレーションによって、建築の活用と町並みの保全に向けた議論とコンセンサス構築。
・ 建築や町並みの文化的価値を分かり易い言葉で市民に伝え、社会に認知する方法の構築。
・ 建築学会大会論文投稿と発表
・ 建築学会特別調査委員会の設置提案
・ 世田谷区など自治体レベルへの提言・提案

■参加条件
正会員、準会員、学術会員

■関連する業種
ゼネコン、設計事務所、設備会社、住宅会社、建材メーカー、研究機関
~建物所有者(行政)、建物保存・活用の実践団体、建築史・保存の有識者、経済関係者に適宜参加してもらう~


■研究会期間
1年間

■募集期間
2018年4月24日~5月16日


連絡先参加希望、お問い合わせは、(1)会員企業名、(2)ご所属、(3)氏名、(4)連絡先(TEL、FAX、e-mail)、(5)(参加希望の方は、)研究会への期待や貢献を、下記までお知らせください。
建築研究開発コンソーシアム 事務局 担当:松沢
電話 03-6219-7127 e-mail kenkyu@conso.jp
 リンク2017年度(第15回建築・住宅アイディアコンペ 提案書
 ニュース公開日2018/04/23
発信者コンソーシアム事務局